こんなこともあろうかと、はやぶさの回路にはダイオードを入れておいた!
タイトルでピン、とくる方で僕とおなじ世代の人って少ないんでしょうね。やっぱり。
以前、はやぶさ、エンジン残り一基に(Shattered sky 11/11)という記事で
「これは本当に、帰還はキビシイかもしれない。」と書いたはやぶさ。
これに関して、続報がでた。
探査機「はやぶさ」、奇跡の復活…予定通り帰還へ(YOMIURI ONLINE )
Twitterでこのタイトルが出たとき、思わず笑いながら泣きそうになった。
何俺キモイ。
はやぶさリンク:はやぶさ、帰還に向けてイオンエンジン再起動(松浦晋也のL/D)が詳しい。
着陸時の挙動や、化学スラスタ全滅、通信途絶、バッテリ準短絡に
リアクションホイール2軸喪失。
今度こそ、もうほんとに駄目だと思っていた。
以下、リンク先(YOMIURI ONLINE)より引用。
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奇跡の復活――。4台あるエンジンのうち3台が停止し、小惑星イトカワから地球への帰還が危ぶまれていた日本の探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構は19日、故障していた2台のエンジンを組み合わせて、1台分のエンジンの推進力を得ることに成功したと発表した。
もう1台のエンジンの温存が可能となり、予定通り来年6月に地球へ帰還できる見通しとなった。
はやぶさは、2003年5月の打ち上げ直後に1台のエンジンがトラブルで停止。その後も様々な機体のトラブルに見舞われたが、05年11月に地球から約3億キロ・メートル離れたイトカワに着陸した。07年4月には、もう一つのエンジンの部品が劣化して、運用を中止した。
満身創痍(そうい)の機体は、残る2台のエンジンを交互に運用して地球への帰還を目指した。しかし、うち1台が、今月9日に故障していた。
エンジン復活に向け、宇宙機構は、故障した3台のうち、早い段階で運転を中止したエンジン2台に着目。正常に動く部品同士を電子回路でつなぐ「離れ業」で、互いの故障を補う形でエンジン1台分の推進力を出すことに成功。電子回路は、万一に備え、「エンジン間をつないでおいた」ものだった。
復活したエンジンは、順調に作動している。電力、燃料の消費は、2倍になるが、電力は太陽電池によって補給できる見通し。燃料にも余裕があるという。
宇宙機構の川口淳一郎プロジェクトマネージャは「動いている方が奇跡的だ。予断を許さないが、万一に備えた回路が功を奏し、電力補給できるという幸運にも恵まれた」と話している。
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以上引用終わり。
何をどうやったのか、肝心の中身がこの記事ではかかれていないのでさっぱりだが、
小惑星探査機「はやぶさ」の帰還運用の再開について(JAXA プレスリリース)によると、こういうことらしい

図もJAXAプレスリリースより引用。
打ち上げ直後より動作不安定で使っていなかった(そして、スラスタD死亡後にも使えなかった)
スラスタAのイオン中和器と、中和器の劣化で使えなくなったスラスタBのイオン源を組み合わせることで
A、Bで1つのエンジンとして稼動させた、ということだ。
イオンエンジンでは、イオン化した推進剤(Xe)を噴射するため、探査機がマイナスに帯電してしまう。
それを回避するため、中和器からXe+に電子をぶち込み、はやぶさが帯電するのを防ぐ。
中和器が劣化すると、電子をぶち込むために必要な電圧が上がり、50Vを超えるとエンジンが停止する設計。
上の図で「ガス消費」と出ているところにプレスリリースでは説明が書いていないが
これは、中和器とイオン源に供給するガスを一つのバルブでコントロールしているため。
なので、このニコイチ運転では図のとおり、おもらし運転となる。
ただし、残存キセノンは20kgに対して、残り必要なのは5kgなので全然OK。
現在、このAB複合スラスタとスラスタCが生存。
Cはバックアップに回し、ABで噴射を続けるだけでも帰還は可能。
Cが推力5mNに対し、ABで6.5mN出るというんだからたいしたもんだよ。
以下、松浦氏の記者会見録から引用。
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時事通信:このような動作ができることは事前に解っていたのか。
國中:これができることが実験室では自明だった。現状では探査機が数十ボルトに帯電し、帯電することで電子が引き出されるという運転をしている。このような状況は地上では再現できないため、地上試験ではこのような運転を行っていない。
川口:ちょっと盛り上げるなら、これは電気回路にダイオードが一つが入っていないとできない。あらかじめそういう回路を組み上げ、搭載して打ち上げたということを注目してもらいたい。
國中 はやぶさは、設計時の重量制限が厳しかった。色々考えた末にダイオードひとつを追加するだけで今回のような運転が可能な電源回路を組んで搭載した。
毎日 こういったトラブルを想定して回路を積んだのか。
國中 そうだ。
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JAXA(当時はISASか…)の中の人は違うわ、と思った一幕。
これだけならともかく、これまでもキチガイ地味た起死回生を繰り返してきてまだカードが残っているとは。
海外の研究者は「なにこれこわい」などと言っているに違いない。
ただ、最後の「そうだ」はいただけない。せっかくなら
川口先生「こんなこともあろうかと」と返すべきだった。
JAXAの中には真田さんが何人いるんだよ…
ともあれ、はやぶさチームの中の人、はやぶさを救ってくれてありがとう。
来年までなんとか持ちこたえて、無事にかえって来てください。
奇跡は待つものではなく、起こすものである。byISAS標語(?)
本当にそのとおりですね。


なかなか真田さん(ヤマト)ネタが通じる人がいないので、
反応いただき非常にうれしく思います><
エンジンをニコイチ運用したとき、外から見ればどのように見えるのか気になりますね。
イオン源のBが動いているように見えるのか、電子を出しているAが動いているように見えるのか。
それともAB中央後方で光ってるのでしょうか。
投稿: 冬月 | 2009/11/23 15:50
テストはまだだが、いけるぞ
投稿: | 2009/11/20 22:31
「こんなこともあろうかとダイオードを入れておいたのが役に立ったよ。」
投稿: | 2009/11/20 22:16
ニコイチかっこいいです。
投稿: いっこき | 2009/11/20 09:04